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『南海トラフ巨大地震』その14「想定の整理」
南海トラフ巨大地震が発生したら、揺れから始まり、何が並行して起こるのかを考え「22分類」しました。
今回は『⑦津波』から考えます。
「加古川市は津波想定高3m」。
その数字を聞いても「3mか?」程度の感覚を持つ人が多いことでしょう。
やはり津波の底知れぬパワーの恐ろしさを理解していない人が多い。
津波は足のくるぶしまで浸かる程度「10cm」で命を失う可能性が高いといわれています。
『10cmの水が流れる』のではなく『10cmの厚さの塊でできた地面が同時に動く』というものです。
津波の水の中には様々な物が一緒に襲ってきます。
それは流れに巻きこんだ異物であり、その異物もまた身体を攻撃します。
泳いで逃げられるというような悠長なことありません。
津波からは『避難』しかないのです。
揺れたら避難する!しかし人は「これくらいなら大丈夫」と思ってしまう。
大きな地震で大きな津波とはなりません。
揺れが小さくても大きな津波が襲ってくるかもしれないのです。
では津波に関連して『⑬避難』を考えます。
『避難』には何種類かの方法があります。
その場から離れること、危険な場所から離れること、危険が迫る場所から離れること、危険を想定して移動すること、危険を予測して移動すること、身に危険の迫らぬようにすること、命を守る最善の方法をとること等々があります。
では何のために避難するのかといえば、ケガをしたくない、死にたくない等です。
こう思いたくなるのは何故なのでしょうか?その答えとしては『健康に生き続けたい』からではないかと考えます。
なぜ生き続けたいのかといえば『叶えたい目標や夢、失いたくないもの、大切な物の存在』これらが生き続けたいというモチベーションを支えていると考えられます。
ならば『避難を躊躇する』この考え方は捨てましょう。
避難を躊躇して何かメリットがあるのでしょうか?躊躇する意識は「目の前で起こる現実現状とこれから想定される惨状」このふたつで判断ミスが起こります。
例えば、地震や台風から考えると『突然襲ってきた地震』と『今から来るよと予測される台風』。
『もうダメだ』と『まだ大丈夫』という違いです。
ここには、今からでも遅くないという共通言語があるにも関わらず『諦めと油断』が入り交じります。
それは『叶えたい目標や夢、失いたくないもの、大切なモノの存在』を失念した思考が足を引っ張るのです。
『なぜ避難をするのか?』を忘れてはなりません。
「なぜ人は避難しようとしないのか?」東京大学大学院・片田敏孝教授の話をご紹介します。
人が避難しない原因に「正常化の偏見」「認知不協和」という人が持つ2つの心理的特性をあげる。
まずは「正常化の偏見」(正常性バイアス)とは人間の心が持つエネルギーの損失や過度な緊張を避ける為にある程度までの異常は正常の範囲内として処理する心の機能です。
それともうひとつ「認知的不協和」とは、人が自身の中で矛盾する認知を同時に抱えた状態。
その時に覚える不快感のこと。
人はその不快感を修正する為の行動をとる。
「避難勧告が発生されたら逃げる」に対して「避難をしない」ということの間の不協和を解消するのに避難をしないことの理由探しを行ない、逃げないという行動の問題が多発している。
さて人は危機を危機として認識することができないのが多くの人です。
災害があると「避難指示・緊急安全確保」の発令が遅れたとか、聞こえなかったという記事が目に付く。
でも人間は警報を聞いたら避難をするような単純なものではないと語られています。
避難には2通りがあり『避難行動をする』『避難行動はしない』。
これは自分が責任を持って災害が発生するまでに、自分の心で決めておかなければならないことです。
その時になってから『どうする?』では遅いのです。
想定し決めておく必要があります。
『災害が発生しなかったら笑われる』『災害が発生しなかったらどうしよう』『災害が発生しなかったら無駄足』これらは『避難したくない心』がこのように心の中に現れるのです。
たった一回でも『避難しておいて良かったぁ』と思うのならば、避難行動をしないという選択はないはず。
さて、避難し終えたとして、次は何をするのでしょうか?避難所運営に関わる人もいれば、避難先で「お客様」になってしまう人もいる。
命を守る行動の『避難』。
しかしながら、その先が見えないことが多い。
確かに災害因によってその後の行動は違う。
破壊される街を見続ける人もいれば、身を守る行動を率先する人もいる。
避難していない人を心配する人もいれば、いない人を探す行為に動く人もいる。
一概に避難といえども様々な動きをする。
これらが理解できず、それらを正確に見えていないから『避難を躊躇する人』が現れる。
やはり『何のために避難するのか?』この定義を定めておくことが重要。
それを決めておけば『無駄足覚悟の避難』も苦にならなくなる。
何もなければ、笑って済ませる寛容な地域社会を構築しておくことが大切ではないでしょうか。

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