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2022年09月号
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 そもそも火災は何故発生するのかといえば「何かが燃焼する(燃える)」からです。そう考えると何も燃えなければ火災にはなりません。ならば、何故燃えるのかを学ぶことで火災を減らすことはできるのです。
 では「燃焼」とはどういうものかというと「発熱・発光を伴う酸化現象」です。燃焼が起こるためには「可燃物(燃えるもの)+酸素(空気など)+熱源(点火エネルギー)」という燃焼の三要素が同時に必要です。三要素の一つでも欠ければ燃焼は起こらず、その継続も不可能です。「火を消す(消火する)」ということは、燃焼の三要素のどれか1要素でも取り除けば良いということになります。
 燃焼によって起こる火災の定義とは、人の意図に反して発生し、もしくは拡大し、または放火により発生して消火の必要がある燃焼現象であって、これを消火するために消火施設またはこれと同程度の効果のあるものの利用を必要とするもの、または人の意図に反して発生し、もしくは拡大した爆発現象です。
 近年、建築物や様々なもので不燃化・難燃化が進み、今までとは違い防火性能は各段に向上しています。しかし建物内で使用される家具や什器などは、石油化学製品などの燃えやすいものも多くあり、その為に火災時に出る煙の発煙量が多く、それらから有毒ガスが発生し避難行動に支障を及ぼすケースが多発し、建物自体にも大きな影響を及ぼしています。
 建物は「木造・防火造建物」と「耐火建物」に分類。
 木造・防火造建物の火災特性は、燃焼速度が速く、短時間で最盛期になる。他の建物へ延焼しやすい。気付かないうちに建物全体に燃え広がる。外壁の剥離や倒壊が起こりやすい。飛び火しやすい。可燃性ガスが発生し、そのガスに引火して一瞬のうちに炎が広がるフラッシュオーバー現象が起きる。
 耐火建物の火災特性は、建物自体の気密性が高く空気不足になるので燃焼速度は緩やか。その気密性で建物内に濃煙や熱気がこもりやすい。しかし、一度窓ガラスなどが割れると、新鮮な空気が流入し急速に燃焼するバックドラフト現象が起きる。階段やエレベータ、パイプスペースを伝わり上階へ延焼し、立体的な火災に発展する。
 いずれにしても、絶対的安全性・防火性は存在せず、一度火災になると大切な命・大切なものを焼き尽くす力を持っています(消火方法は次回)。「炎」の恐ろしさと共に「煙」の恐ろしさを学ぶ必要があります。多くの火災現場では、火災発生の初期に発生する煙によって逃げ場を失ったり、煙に含まれる有毒ガスにより中毒症状を起こし生命の危険や死亡するケースが増えています。煙は横方向に毎秒0.5m~1m、縦方向には毎秒3~5m移動。
 すべての火災で発生するものは、一酸化炭素と二酸化炭素で、燃えるものにより、シアン化水素や亜硫酸ガスなどが発生します。このガスの中で最も危険なのが一酸化炭素。どのように恐ろしいかというと、一酸化炭素は人が生きる為に必要な酸素を結合して運ぶ役目を果たす血液中のヘモグロビンに対して、酸素の200~300倍の速さで結合し、体内を一瞬で酸素欠乏状態にさせる中毒を起こさせ、死に至らしめる恐ろしいガスです。その中毒症状は『軽い頭痛→めまい、視力低下、嘔吐、虚脱→激しい頭痛、呼吸脈拍増加→昏睡、けいれん→脈拍微弱、呼吸遅く→死』となります。煙は発生していないから大丈夫だと安心するのは大間違いで、煙が来たときにはすでに遅しで煙の発生以前に無色透明の一酸化炭素が到達していれば、命の危険は始まっています。周囲の人が『頭が痛い』などと言い始めた時には、自分に症状が現れるのも間近です。この一酸化炭素は給湯器などの不完全燃焼でも発生します。火災が発生していなくとも、頭痛は緊急危険アラートと考えましょう。火災によるガスや煙から逃げるには「落ち着いて低い姿勢をとる」は鉄則!

 さて、火災などに直面すると不安や恐怖により理性的な判断ができなくなり、本能や感情で行動し、目の前の危険から逃避しようと衝動的な行動をとってしまう火災時の行動特性が6種類の傾向にあります。①日常使い慣れた通路を避難する。②入ってきた通路を逆戻りする。③明るい方向に向かう。④目の前の危険に追い詰められると高所や窓から飛び降りる思わぬ行動。⑤自分で避難方向を判断せず、人についてやみくもに追従する。⑥判断力の低下から、身体が硬直して動けなくなり、避難行動をとる時期が遅れる。などがあります。
 また、誰もが心に持つ「正常性バイアス(正常化の偏見)」という、異常事態が起こってもそれを正常な範囲と考え、心を平静に保とうとする心の働きで「自分は大丈夫だろう」と間違った判断をしてしまうというものです。逆にヒステリックになりパニックを起こす心の動きも存在します。ではどうすれば良いのか?
 やはりこのような情報を知っておくことが重要で、知った上で心の訓練をすることが最適なのです。これが防火の学びの第一歩です。 つづく・・・次回は消火

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