「大切な人を助けることが出来るのは、あなた自身です!」

 平成17年8月26日(金)〜8月28日(日)の3日間、加古川市防災センターの応急手当普及員講習で、グリーンシティ防災会の5名が普及員として認定されました。固定や止血等の応急手当、搬送法、AED(自動体外式除細動器)を使用した心肺蘇生法の基礎知識、技能及び指導要領を学習し、AED(自動体外式除細動器)を正しく安全に使用できるよう徹底した訓練を受けました。また、応急手当普及員認定により、グリーンシティを基本として、多くの方々に救命に必要な応急手当の指導を適切に行いたいと思います。
また、グリーンだより7月号に掲載いたしましたAED(自動体外式除細動器)をグリーンシティにもAEDを配備するとともに、AEDの訓練用トレーニングマシン2台、蘇生法教育人体モデルを大人モデル2体、子供モデル1体、乳児モデル1体も同時に導入いたしました。今後は、防災訓練の一環として「DIG(災害図上訓練)」と共に、AEDを使用した心肺蘇生法訓練を随時行っていきますので、多くの方の参加をお願いします。

 AEDは早期に除細動(電気ショック)を加え、心臓全体の勝手な動きを止め、規則正しい収縮に戻すことができるものです。AEDには、心房細動を止められる最低の有効エネルギーが出力されるようセットされています。エネルギーや電流が低すぎると、除細動しても不整脈を止めることができません。逆にエネルギーや電流が高すぎると心筋障害を起こします。AEDは電流の出し方により2種類に大別でき、単相性と二相性とがあります。単相性は一方向に電流を流すもので、二相性は、一定時間プラスの電流を流し、次に逆方向(マイナス方向)に電流を流す。二相性のAEDは心筋障害を起こさないような電流で除細動が出来るのです。そのような心筋の後遺障害などを考慮し、グリーンシティでは、二相性除細動器を導入決定いたしました。

 一言で簡単に申し上げると、心臓の震えを止める秘密兵器で、誰にでも使用できます。「心臓突然死」と言って突然に命を落としてしまう恐ろしい状態が色々な原因で起こります。脳をはじめとする全身に血液が流れていない状態を心肺停止と呼び、そのまま数分も経てば救命は難しくなってしまいます。 心肺停止の中には完全に心臓が止まってしまっている場合もあれば、心臓が小刻みに震えている状態のものもあり、心室細動や脈のない心室頻拍と呼ばれます。
また、心肺停止の状態で心臓マッサージをはじめとする心肺蘇生法を行わないと、脳は4分でダメになってしまうと言われています。
つまり、その後の処置で一命をとりとめたとしても、もとの生活に戻ることはできません。
高円宮殿下がスカッシュ中にお亡くなりになった事件を覚えておられるでしょうか?
殿下は心室細動という心臓が震えている心肺停止状態だったのですが、このような状況ではお薬で治したりすることはできません。 心肺蘇生法は勿論、最初の処置として極めて大事なことなのですが、最終的に唯一有効な方法は心臓に電気ショックを与えて心臓の震えを止めることです。心臓に電気を流して震えを取り除く行為を除細動(心臓の細かい動きを取り除くという意)と呼びます。殿下の場合は救命士が除細動を行いましたが、これは殿下が倒れられてから8分後のことでした。こんな時に自動体外式除細動器(AED)があれば良かったと言えます。
自動体外式除細動器(AED)とは、除細動処置を一般市民の方でも使用できるように開発された超強力な助っ人なのです。
自動体外式除細動器(AED)の使用は難しいものではありません。小学生でも使用可能です。除細動が必要か否かは、自動体外式除細動器(AED)が考えてくれます。貴方がすることは電源を入れること、通電パッド(粘着シール状の電極)を貼ること、誰も触っていないか安全を確認してから通電ボタンを押すだけです。自動体外式除細動器(AED)は音声で次にどうしたら良いかを教えてくれるというスグレ者なのです。

除細動は時間との勝負

 除細動は一刻も早く行わないとその効果がおちてきます。グラフの図をご覧下さい。1分経つごとに7〜10%ずつ軽快退院率(救命率とお考え下さい)が減っていきます。心臓が震え出してすぐに除細動を行えば、高い確率で患者様を死の淵から助け出せるわけですが、10分も経てばもう望みは殆どないことが御理解頂けるでしょうか。つまり、突然の心肺停止に陥った方をこちらの世界に引き戻すことができるのは、傍にいる貴方しかいないのです。医師が到着してから除細動をしていたでは助かる確率も少なくなってしまいます。このような背景から2004年7月に自動体外式除細動器(AED)は非医療従事者(一般市民)にもその使用が許可されました。