■ 第11回「破断」2009.10.5

炊き出しをしている最中に星崎さんが急いで帰ってきた。
星崎:「どうやら雑排水管の破断した箇所がありそうだ!」
大石:「破断箇所がありそうだ?とはどういう事ですか」
星崎:「たぶん、いや間違いなく破断している」
大石:「なぜ、判るのですか?」
星崎:「雑排水管が破損して汚水が土壌へ流出して悪臭を発しているんですよ」
大石:「土壌へ流出して悪臭?星崎さん、落ち着いて話してください」
平山:「まあ、イカ焼きでも食べて落ち着きましょうよ」
星崎:「ごめん、ごめん。詳しく言うとやなあ。E棟の一番北側の地面が湿っていて、匂いが凄いんや!間違いなく雑排水管が埋設されているあたりで、さっきの地震で破断もしくは亀裂が入って漏れているんや。このままやったら、E棟の9号室か10号室の縦系列は、トイレ等の排水が不可能になり、このまま流し続けてつまりが出ると、間違いなく汚水が溢れ出す家が出てくるぞ」
大石:「と言うことは落ち着いてはいられないと言うことですね」
津田:「修繕委員長としての立場から言いますと、今までにも漏れてはいなかったのですが、配管のたわみ等で改修したことがあります。すぐ設備業者へ連絡しましょう」
山川管理員:「今、連絡しているのですが設備会社にも連絡がつかないんです」
志村理事長:「じゃ、応急的処置として給水を止めましょう。そうすれば、最低でも排水量は下がります。合わせて関連の縦系列の住戸に排水を控えることを至急連絡しましょう」
大石:「トイレの使用を止めてくれますでしょうかね」
志村理事長:「どちらにしてもその場所を掘りましょう。星崎さんは配管関係も専門で
したよね」星崎:「掘って、その場所が特定できれば応急処置ぐらいは簡単なものや」大石:「じゃ、星崎さん!山川管理員さんと津田さんと協力して、人を集めて掘削して場所を特定してください。応急処置に必要な材料が判れば、なんとか調達しましょう。
同時に小橋さん、避難誘導の方はOKでしたか?であれば人を集めて関連の各住戸に連絡をお願いします。大島さん!先ほどの情報収集する中で避難済みの住戸や確認が取れている住戸は判りますか?」
大島:「そう言われると思って確認しましたよ。3分の1の方が連絡確認済みです。その内、避難所へ向かわれた方が半分いらっしゃいます」そこへ津田さんが戻ってきた。津田:「もう掘削に入っていますが、関連の住戸の方も出てきてくれています。
かなり早い段階で応急処置が可能かもしれません」
平山:「ただし、汚水が噴き出す可能性もあると思うので慎重に、また汚水なので感
染防止対策もとりながら作業してください」
津田:「とりあえず、雨カッパ・ビニール手袋・マスクそしてブルーシートも用意済みです。あとはタイヤチューブやビニールテープなど用意しています。それからかなり広範囲に掘削するよう星崎さんが指示しています」
大石:「了解です。頑張ってください」
そこに大島さんがやってきた。
大島:「雑排水管の処置中、トイレが使用できないどうするんや!と怒ってきた人
がいますがどうしましょう?」

第11回の学習ポイント
●災害発生時には普段想定していないことが発生します。みんなで協力し合いお互いに助け合いましょう!
●雑排水管などの破断時には、多くの住戸の協力が必要です。身勝手な行動は慎み、ルールに則って生活してください。
●避難時には、ガスの元栓を閉栓・電気ブレーカを遮断・水道の蛇口も忘れず閉栓してから避難をする。