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2024年11月号 |
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『南海トラフ巨大地震』その10「想定の整理」をします。 もうすぐ阪神・淡路大震災から30年をむかえます。 30年で私たちの備えとなる防災活動は飛躍的に変化したとは言い難い状況です。 しかしながら、この30年の中で一歩一歩学んだことは沢山あります。 それは『想定力』です。 何をどのように備えれば、その後の状態はどう変化するのかを『事前防災』というカタチで学び取った人は多くいます。 その学びを次の大災害に活かす必要があります。 さて、次の大災害は『南海トラフ巨大地震』の可能性があります。 南海トラフ巨大地震が発生したなら、揺れから始まり、何が並行して起こる(伏線)のかを考え分類しましょう。 ①地震の揺れ ②揺れに伴う周囲の出来事 ③揺れが引き起こす命に関わること ④家屋の倒壊や損傷 ⑤ビルやマンションでの出来事 ⑥火災 ⑦津波 ⑧救命 ⑨停電 ⑩ガス供給停止 ⑪断水 ⑫通信遮断 ⑬避難 ⑭避難所 ⑮コミュニティ ⑯行政 ⑰支援やボランティア ⑱お互い様や助け合い ⑲気象 ⑳南海トラフ地震臨時情報 ㉑交通機関 ㉒安否確認 大分類としては以上の22分類になりますが、それぞれの中には過去の災害時・災害後に経験した小さな出来事が、ある人にとってはトテモ大きな出来事である場合があります。 それを『経験値の共有』として、みんなの経験値の加算を図っていきましょう。 まず『①地震の揺れ』を考える前に大前提となる基盤を作っておかなければなりません。 これを作らずに想定を創り上げても最終形態が『死亡』ではダメなのです。 必ず最終形態が『生き残れた』とならなければならないと考えます。 しかしながら手放しで『良かった、良かった。 目出度し目出度し』では、想定の結末が他人任せとなってしまいます。 大切なルールは『自分が責任を持って、自分で決めておくこと』が重要なスタートラインです。 まずは『決める・決めておく』ことを考えましょう。 ①災害情報を入手できる状態にあるか?他人を当てにせず、自分で情報収集の手段があるか ・緊急地震速報 ・エリアメール ・各種防災情報 ②災害情報を入手したら何をするか? ・身構える ・避難する ・逃げる ③安全な場所は知っているか? ・自宅の安全地帯を作っている ・職場の安全地帯を作っている ・移動中ならどうするか決めている ④身構える方法を決めているか ・頭を守る ・身体を守る ・慌てず行動できる ・防御姿勢を瞬時に行動に移れる 以上のような一連の流れを心の中で判断し、イザというとき行動に移せる心構えを創り上げておかなければなりません。 各自が最低限やることは、緊急地震速報が鳴れば、スマホを確認する判断力を身に付けておきましょう。 ところが多くの人は、周囲の人が、他の人が、誰かが教えてくれると、自分の命に関わることなのに他人まかせを決め込んでいる人が多いのが現状です。 やはり最低限は他人を当てにしない心構えと判断力は身に付けておきましょう。 これでやっと『スタートラインを引く準備ができる』のであり、まだスタートラインにすら立っていないのです。 『①地震の揺れ』を考える為に『決める・決めておく』ことを考えましょう。 あなたは「どうありたいか?」ということです。 「生き延びたい!」のかどうかということです。 更には「生き延びてどうありたいのか」「何をしたいのか」「目標は」「夢は」と!いうそれらを叶えたいかということです。 その為にも『決める・決めておく』必要があります。 ・自分は何を守り抜くのか ・生き延びる決意がある ・ケガを最小限にできる ・助かる努力をしている ・事前対応をする ・もしもの備えをしている ・もしもの学びはある 等々、災害が発生するまでに自分自身で『決める・決めておく』必要があるのです。 それができた上で、はじめてスタートラインに立つことができるのです。 モチベーション以前の『心の準備』を確かめておくことが大事だということになります。 例えれば『どちらを向いて走るのか?』ということです。 災害は『よ~いドン!』と、準備ができている人も、準備ができていない人にも関係なく、災害スタートの号砲は鳴ります。 その号砲の音すら知らないようでは、命はいくつあっても足りません。 その為にも、あなたが『決める・決めておく』ための『防災の学び』をしましょう。 まずは『あなたは何の競技に参加するのか?』くらいは学んでおきましょうね。 その学びのひとつに大切なことがあります。 防災や災害対応は、号砲が鳴ってスタートしたら次の瞬間『フィニッシュ』なのです。 スタート=ゴールラインであることを知っておきましょう。 防災は災害が発生した瞬間にもう取り終えていること!これが究極の備え『事前防災』なのです。 |