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2024年10月号
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『南海トラフ巨大地震』その9「最大級の想定」について考えます。
そもそも、南海トラフ巨大地震は「震源がどこになるのか?」により各地域の被害は大きく変わります。
それに伴い「2~3分間揺れる」ともいわれている、地震の揺れはどうなるのかを考えていきましょう。
南海トラフ巨大地震は、概ね100~150年間隔で津波を伴う大規模地震で、静岡県(駿河湾)から宮崎県(日向灘沖)にかけて発生します。
一部では震度7の可能性があり、それに隣接する周辺の広い地域では、震度6強から6弱の強い揺れになると想定され、関東地方から九州地方にかけての、太平洋沿岸の広い地域に10mを超える大津波の襲来が想定されています。
南海トラフ巨大地震の発生は『複数の領域で同時発生』『複数の領域で連続発生』『時間差(月日)をもって発生』とする、いくつかのパターンに分かれます。
津波を伴う地震には種類があり「揺れは小さいが、発生する津波の規模が大きい地震」や「揺れが大きく、発生する津波の規模も大きい地震」といった猛烈なパワーを持つ地震です。
南海トラフ巨大地震の規模はM8~M9クラス、地震発生確率は30年以内に70%~80%、平均発生間隔:88.2年、地震後経過率:0.88。
(地震後経過率とは、最新活動(地震発生)時期から評価時点までの経過時間を平均活動間隔で割った値。
最新の地震発生時期から評価時点までの経過時間が平均活動間隔に達すると1.0となる)。
ちなみにマグニチュードは、地震の規模(エネルギー)を表す値で、マグニチュードが0.1上がると、地震のエネルギーは約1.41倍になり、マグニチュードが『1』大きくなると約32倍、『2』大きくなると約1000倍です。
南海トラフ沿いで発生した過去最大級の地震を調べると1707年10月28日に発生した「マグニチュード8.6」の宝永地震です。
『遠州灘から四国までの沖合を震源域』とし、陸のプレートとフィリピン海プレートの境界で発生。
この地震により発生した津波は東海~四国太平洋側を中心に沿岸で5mを超えて四国の太平洋側を中心に10m以上のところもあったと推定されています。
加古川周辺の瀬戸内海での記録は、兵庫県では赤穂で3mを記録、大阪府で2.5~3m、 岡山県で3m、香川県で1.8~2mといった瀬戸内海への津波が進入した痕跡や記録が今も残っています。
本日の本題『最大級の想定』となると、どのようなものかをお伝えします。
『南海トラフ巨大地震』の『複数領域での同時発生』もしくは『複数領域での時間差発生』にプラス『富士山噴火』が最大級の被害が発生する想定になります。
『複数領域での同時発生』は、ほぼ同じタイミングで南海トラフがズレるということです。
地震の揺れる時間は現在想定されている2~3分の強烈で猛烈な揺れが襲ってきます。
『複数領域での時間差発生』は、少しの時間差(ズレの連鎖反応)で猛烈な揺れが2~3分×「震源数」の時間で連発して襲ってきます。
このふたつを比べるとどちらが最大級なのかは想像が付きませんが、我々の知る『揺れ』の最大限を超えた揺れが襲うことになります。
地震のエネルギーのパワーは計り知れないものがあり、揺れがおさまった後の惨状は恐ろしい事になっているかも知れません。
しかしながら、過去の地震と違うのは「多くの人が備えの意識を共有できている」ことです。
『防災活動・防災』が広がり、それぞれの構え方・備え方を身につけた人が多くなっていると考えれば、死者数の国の想定は、32万人から26万人に減少したということも防災力の向上から考えられることです。
でも、忘れてはいけないのが!『26万人も亡くなる!』ということです。
あなたやあなたの大切な人が『26万人の内の1人』に含まれぬように今から防災を志すことです。
最大級の想定に記載した「プラス『富士山噴火』」は絵空事ではなく宝永地震の49日後に富士山が噴火しています。
富士山噴火の痕跡は今も残り、一番大きい宝永第1火口の直径は富士山の山頂火口より大きいのです。
この噴火で、火山灰は遠く離れた江戸の町にも降り続き、厚さで数センチメートルも積もりました。
噴火が激しい時には江戸の上空は真っ暗となり、昼間でもろうそくの灯をともさなければならないほどと記録に残っています。
さて、起こってはほしくない南海トラフ巨大地震ですが、周期性が間違いなくある地震です。
必ず発生します。
それが我々の命のある今の時代なのか、先の時代なのかは判りませんが、次の時代に「防災が当たり前になる時代」を今の我々が築き、次の世代へと渡す義務があるのです。

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