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2024年7月号
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『南海トラフ巨大地震』その6(真夏の巨大地震)
真夏の猛暑に大地震が発生したらどうなるのか?
今回は「真夏の地震災害」について考えます。
近年「真夏の地震災害」は比較的少ない。
2000年以降で調べてみると2つの大きな地震があります。
「新潟県中越沖地震」2007年(平成19年)7月16日午前10時13分に発生。
M6.8、最大震度6強。
死者は15名、負傷者2,346人、住家全壊が1331棟の被害。
震度6強を観測した長岡市の最高気温は「25.9℃」と気温は高め。
「平成30年北海道胆振東部地震」2018年(平成30年)9月6日午前3時7分。
M6.7、最大震度7。
死者は44名、負傷者785人、住家全壊が462棟の被害。
震度7の厚真町の最高気温は地震当日の日中はデータが欠損しているが前日の最高気温は「26.1℃」で北海道といえどやはり暑い。
『防災の日』と定められたきっかけとなった地震は、1923年(大正12年)9月1日午前11時58分に発生した関東大震災。
M7.9、最大震度6(当時の震度階級は最大6まで)現在の震度7相当の揺れであったと推定されている。
関東大震災当日の気温記録が残っている。
統計上気象庁正式記録には採用されていないが、実は歴代最高気温41.1℃を越える最高気温を観測している。
1923年9月2日の東京での記録「46.4℃」。
この記録は関東大震災が原因です。
前日8月31日・東京の最高気温は「30.8℃」、8月15日には「35.1℃」と猛暑の年であったことが記録から判ります。
地震発生11時58分という昼食時で各家庭や飲食店で火を使用していた為、地震発生直後から各地で火災が発生して燃え広がり、9月3日10時頃まで約46時間にわたって燃え続けた。
地震が起こる前には約35万棟あった建物の内、約21万棟が焼失した。
中央気象台(現気象庁)も火災に巻き込まれている。
木造二階建の気象台は、地震の揺れにより壁に亀裂が生じ、屋根瓦が崩れ落ち、観測機器が倒れて壊れ、柱が折れ建物が傾くなどの被害がありました。
そのような状況の中、夕方18時ごろ火の粉が屋根に飛び移り始めます。
職員が何度も消し止めていましたが、23時ごろには炎が上がって燃え広がり、気象台の大半を焼失してしまいます。
焼失を免れたのは、鉄筋コンクリート造りの風力塔や図書庫などごくわずかでした。
観測機器や重要書類などは火災の前に運び出していたものもあり、失わずに済んだ資料も多いとのこと。
このような状況の中でも、気温の観測が行われていた。
余震が起こり、近くで火の手が上がっている中、当時の観測当番は観測を続けています。
そのため、中央気象台があった東京元衛町(現在の千代田区)の気温や気圧、風速など欠けることなく記録されている。
火災の影響で1日の夜から2日にかけて気温が上がり、2日1時の観測では45.2℃、そして最高気温46.4℃にまで上昇しました。
大火災という特殊な条件下での観測のため、公式の統計記録には入っていませんが、当時の火災被害の大きさと職員の方の気象観測に対する熱意が伝わる大変貴重な記録です。
『真夏の大震災』。
想定のひとつ「暑さ対策」がある。
では、長時間停電による冬の「寒さ対策」と夏の「暑さ対策」を考えてみましょう。
  寒さ対策は「服を着こむ。
カイロを使う。
カセットコンロでお湯を沸かして飲む」などが頭に浮かぶ。
暑さ対策はどうでしょう?電気が使えない中「うちわで扇ぐ」程度で他には思い付きません。
人間は常に熱を発しているので、その熱を閉じ込めれば温まることは比較的容易であり、熱を出す反応(燃焼)も身近に存在します。
逆に熱を冷ます(冷却)といえばエアコンや冷蔵庫は電気の力を使っているので電力を使わず冷却を継続することは難しいことが判る。
どのように暑さ対策が良いのか考えてみよう。
『水の備蓄』熱中症や脱水症状を防ぐには水分補給が必須。
経口補水液やスポーツドリンクはより効果が高まります。
『車のガソリンはなるべく満タン』車のエアコンは停電時でも使用可能。
涼しい車内で休憩できるのとできないのでは大違い。
その為に動力源になるガソリンはなるべく満タン。
(半分になったら給油) 『充電式やUSB給電の扇風機』エアコンがない時代は夏を乗り切るには扇風機でした。
今ではバッテリー充電式やUSBで給電できる方式がある。
充電式は停電時も使え、USB給電式はモバイルバッテリで動かすことができます。
『冷蔵庫』冷蔵庫は「高性能のクーラーボックス」です。
停電しても一定時間は中の冷たさを保つことができ、冷凍庫で凍らせたペットボトルの水は、停電しても扉を開けなければ長時間大丈夫。
冷蔵庫が無事なら停電が数日間続いても食材を安全に保管できると考えられます。
その為に冷蔵庫の転倒防止などの対策が必須です。
「真夏の地震災害」つづく

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