今までのPDFデータへは、こちらから |
---|
2024年5月号 |
2024年5月号の音声読み上げができます。 |
『南海トラフ巨大地震』その4(正しく知ろう!) 相次ぐ各地で発生する強い揺れの地震。今年に入り更に巨大地震へのカウントダウンが早くなったと考えられることばかりが続きます。 4月17日夜、以前にお話した「南海トラフ地震臨時情報」発表基準ギリギリの規模の地震が発生した。 発生が懸念される「南海トラフ地震」だけではなく、命を守り抜くことができる大切な事前情報である「南海トラフ地震臨時情報」も知らないと仰る方が多いのに驚き、防災啓発の弱さを痛感しています。 南海トラフ地震は、近い将来100%発生する大地震です。 過去を顧みると、駿河湾から遠州灘、熊野灘、紀伊半島の南側の海域及び土佐湾を経て日向灘沖までのフィリピン海プレート及びユーラシアプレートが接する海底の溝状の地形を形成する区域を「南海トラフ」といい、そのプレート境界を震源域として、約100~150年の間隔で繰り返し発生している大規模地震です。 この南海トラフ沿いのプレート境界で は ①海側のプレート (フィリピン海プレ ート)が陸側のプレート(ユー ラシアプレート)の下に1年あたり数cmの速度で沈み込んでいます。 ②その際、プレートの境界が強く固着して、陸側のプレートが地下に引きずり込まれ、ひずみが蓄積されます。 ③陸側のプレートが引きずり込みに耐えられなくなり、限界に達して跳ね上がることで発生する地震が南海トラフ地震です。 ①→②→③の状態が繰り返されるため、南海トラフ地震は繰り返し発生する周期性のある地震です。 そういったプレート境界付近での不審な動きや、今まさに揺れ始めたと察知された場合に発表されるのが『南海トラフ地震臨時情報』です。 これは「地震の予知」ではなく、巨大地震発生の可能性が高まった場合に「注意を促す情報」です。 この情報を入手したときに「即!身を守る行動をとる(防御姿勢)」ことができるのと「なんだそれ?(無防備状態)」と人に尋ねている間に強い揺れに襲われるのとでは、あなたがあなたの命を守り抜けるかどうかに大きな差が生じます。 さて、この南海トラフ地震は、関東から九州の最大30の都府県が被害を受け、死者数は約32万3000人、238万棟あまりの建物が全壊や焼失すると推計されています。 関東以西の皆さんの所には、もれなく『震度6弱』あるいは『震度6強』の揺れが襲いかかります。 ひょっとすると震源の位置次第で『震度7』を経験することになるでしょう。 呑気に「揺れたら揺れたときのこと」などと高を括って(たかをくくる)いるようでは、自分の命や自分の大切な人の命を守り抜くことはできません。 これは決して大袈裟なお話しではないのです。 全国で死亡者が32万人を越えるという想定の南海トラフ地震。 あなたがその32万人の中の1人にならぬために、今できること!命を守る大切なキーワード『南海トラフ地震臨時情報』について学び直しをしてみましょう。 「南海トラフ地震臨時情報」は、南海トラフ沿いで異常な現象を観測された場合や、大きな地震発生の可能性が相対的に高まっていると評価された場合等に、気象庁から発表される情報です。 その南海トラフ地震臨時情報という言葉の後に、重要なキーワードが付記され「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」等の形で情報発表がされます。 基準は気象庁において、マグニチュード6.8以上の地震等の異常な現象を観測した後、5~30分後に南海トラフ地震臨時情報(調査中)が発表。その後「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」の臨時会合における調査結果を受けて、該当するキーワード「巨大地震警戒」「巨大地震注意」「調査終了」を付した臨時情報が発表されます。 政府や自治体からキーワードに応じた防災対応が呼びかけられるので、呼びかけ内容に応じた防災対応をとりましょう。 今回のお話、近い将来に決して大袈裟ではなかったことを知ることになります。 |