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2024年2月号 |
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『南海トラフ巨大地震』その1 政府の中央防災会議は、科学的に想定される最大クラスの南海トラフ巨大地震が発生した際の被害想定を実施しています。 この被害想定によれば、南海トラフ巨大地震がひと度発生すると、静岡県から宮崎県にかけての一部では『震度7』となる可能性があるほか、それに隣接する周辺の広い地域では『震度6強から6弱』の強い揺れになると想定されています。 また、関東地方から九州地方にかけての太平洋沿岸の広い地域に10mを超える大津波の襲来が想定されています。 この被害想定は、発生過程に多様性がある南海トラフ地震の一つのケースとして整理されたものであり、実際にこの想定通りの揺れや津波が発生するというものではありません。 また、南海トラフ巨大地震は、千年に一度あるいはそれよりも発生頻度が低く、次に発生する南海トラフ地震を予測したものではないことにも留意が必要です。 以上が政府発表によるものです。 左図は想定震源域と南海トラフの位置。 「千年に一度」と聞けば「私は関係ないかなぁ」と思ってしまいますが、1月1日発生の能登半島地震は、三千年に一度程度の周期で発生する巨大地震を現代に生きる我々が経験し、メディアを通して目の当たりにして、その揺れの一部を遠く離れた加古川でも経験したのです。 東日本大震災の時も同じく加古川にも揺れは到達しました。 その巨大地震が私たちの足元で発生すると想定しても、日々怯えて暮らしては意味がありません。 では、どうすれば良いのかを一緒に考えていきましょう。 南海トラフ巨大地震の震源は、上図の赤く囲まれた範囲のどこかで発生すると考えられています。 その震源位置により到達する揺れの強さのは変わります。 ただこの地震の厄介なことが、どこかで割れが発生すると広範囲に影響を及ぼす可能性が高いということです。 「一部割れ」で止まることなく、「半割れ」「全割れ」となれば、マグニチュード9を越える地震となる可能性が出てきます。 加古川でも『震度6強から6弱』は覚悟が必要かもしれません。 それによる津波の到達想定は、加古川まで約110分程度ですが、それより早いのかどうかは、地震のパワー次第なので判りません。 特に伝播した津波は、和歌山県側の紀伊水道を通過し淡路島によって明石海峡側と鳴門海峡側から分断されて進入してきます。 ふたつに分かれた津波のチカラは、もう一度播磨灘で合流、その時にどのような津波の動き、津波のパワーが増幅減衰するのかはわかりません。 更に九州に近い場所が震源となった場合、宮崎県側の豊後水道からも進入するというダブル・トリプルの津波のチカラが瀬戸内海へ進入します。 想定では、加古川市に到達する津波は、最高津波高2.2m・到達時間は113分(加古川市防災マップより)。 「津波高2.2m」は、逃げ遅れた場合の死亡率が100%ともいわれており、各人の避難意識により大きく変化します。 ただし、到達まで2時間近くあると考えれば、河口付近から高台のある場所まで避難できるだけの余裕はあります。 しかし!どこに避難をするのかを各人が決めておかなければ時間を大きくロスしてしまいます。 強い揺れを感じたら、まずは自分の身を守ることを最優先に行動し、揺れがおさまったら、高台へ移動する意識を持っておきましょう。 2.2mならば、二階以上となりますが、木造家屋は流されてしまいます。 鉄筋建ての3階以上の建物へ避難することを意識づけておきましょう。 そのような施設はどこにあるのか、自分で見付けておくことが重要です。 また、避難を誰かと相談してから逃げるということではなく「自分で決めておくことが大切」です。 それはあなた自身しか判らない決め事であり、地震はあなたがどこにいるのかも関係なく、強い揺れと津波をもたらします。 例えば、津波は浜や堤防・護岸を越えて直接襲ってくる場合と、川など遡上しどこかの場所でオーバーフローするなど進入の仕方は、その時にならなければわからないのが恐ろしいところです。 油断はできないということです。 さて今回の情報は、皆さまを煽り怯えさせる為の情報ではありません。 備えていれば、あなたやあなたの大切な人の命が助かるための大切な情報です。 決して他人事とせず「自分事と考えること」が重要です。 その為にも記憶して頂きたい数字が2つあります。 マグニチュード6.8(以下、M6.8)とマグニチュード8.4(以下、M8.4)の数字です。 南海トラフ地震が想定震源領域内で「M6.8」以上の地震が発生した際に「南海トラフ臨時情報」が発表され、巨大地震が続くと予想される数字です。 「M8.4」は皆さまが見たことのある地震ハザードマップや想定される被害の算出、津波の波高などがM8.4から計算されています。 なのでM8.4以上の数字を目にしたら、すべての想定がそれらを越えることになるのです。 M6.8とM8.4覚えておこう! ちなみマグニチュードが0.1違えば1.4倍、0.2で2倍、1で32倍、2で1000倍。 つづく |