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2022年12月号 |
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今回は『自助・共助・公助』について考えます。 イメージでは判ってはいるものの イザ!ひと言で説明するとなると難しいものです。 ならば正しい説明を得るために広辞苑で調べてみることにします。 『自助』とは、自分で自分の身を助けること。他人に依頼せず、自分の力で自分の向上・発展を遂げること。 『共助』とは、助け合い(互いに相手を助ける)。 『公助』とは、広辞苑に記載がありません! 国の行政機関である総務省消防庁「防災・危機管理eカレッジ」の定義を見てみましょう。 『自助』とは、災害が発生したときに、まず自分自身の身の安全を守ること(この中には家族も含まれる)。 『共助』とは、地域やコミュニティといった周囲の人たちが協力して助け合うこと。 『公助』とは、市町村や消防、県や警察、自衛隊といった公的機関による救助・援助のこと。 で?だから何?、どうも判るようで判らない。 では、何のために自助・共助・公助が必要なのでしょうか? どうも判りにくいので、過去に発生した災害の教訓(検証資料)からヒントを探してみましょう。 【東日本大震災】 ●激甚かつ広域な被害。 ●自治体・首長・職員の被災。 ●災害発生直後、公助は十分に機能せず。 【阪神・淡路大震災】 ●自治体・首長・職員の被災。 ●自衛隊・警察・消防等連携が不十分。 ●ポンプ車台数より火災発生件数が多い。 【熊本地震】 ●職場の安否確認もできず、参集状況も把握できない。 ●役に立たたなかった既存の災害対応マニュアル。 ●避難所運営に多数の職員が忙殺されてしまった。 これらの教訓から鑑みて、ならば!行政を当てにしない防災活動の必要性があることが良く判ります。 でも、行政を当てにしない防災活動って成り立つのでしょうか? やはり「公助」を掲げる行政を、災害が発生する前から一般市民が当てにするというのはどうも危うさを感じます。 特に災害が発生すれば「行政が助けてくれる。 誰かが助けに来てくれる」と、災害が発生する前から当てにしているのは、とても危険な状態が生じてしまいます。 もしもあなたが、災害発生時に行政を当てにしていると考えるなら、災害が発生した瞬間に「だまされた!」と大きな誤解と疑念を生じてしまうことになりかねません。 皆さん!勘違いしないでくださいね。 ここで伝えたいことは、行政はウルトラマンやスーパーマンではないということです。 一度災害が発生すれば「あなたと同じ被災者です!」このことを忘れてはいけません。 しかしながら、用語に定義すら存在しない『公助』は災害が発生したその瞬間には、あなたの隣に寄り添わないし、あなたに降り掛かる危険を排除してくれません! だから行政を利用するのは、災害が発生するまでと復興が始まってからと理解してください。 また災害が発生した後に、みんなで協力し合い・助け合おうといった呑気な考え方を災害発生前から持つことは危険です! 災害が発生した瞬間には防災活動・防災行動は、自分自身ですでにとり終えていることが重要です! その構えを学ぶことが、とても重要な備えなのです。 ところが世間では、事後処理行動に目を向けすぎています。 今一度、災害が発生した時のシミュレーション(想定訓練)をやり直してみましょう! では、防災活動とは何をすれば良いのでしょうか? よく見受けられる防災訓練には「避難誘導、消火、救助、応急処置、避難所運営、安否確認、炊き出し等々」がありますが、よく考えてみるとこれらは『災害が発生した後の事後処理活動』であり、「生き残った人だけが助け合うシステムの構築」と考えられます。 言い換えれば『災害発生の瞬間に亡くなった人は対象外の活動』と読み取れます。 これらは、自分が生き残ったことを大前提とした活動であり、自分は大災害でもケガもせず、生き残れて問題なく動けることを前提とした想定です。 これでは問題だらけです。 防災活動は、着眼点をどこに置き、どのように活動をすれば良いのかを定義することから始める必要があると考えられます。 まず、第一は「災害発生の瞬間に死なない対策の重要性!」です。 そう!死なない為の事前準備こそが「本当の防災活動」といえるのではないでしょうか。 そこで皆さま! 生き残れる大前提の考えは捨てましょう。 自分が想定する災害を列挙してみて、災害が発生した瞬間を考え、自分は死なない対策ができているのかを、自分の普段の生活の中に落とし込み、想定してみましょう。 防災の目指すところは、自分の大切な人が死なない! これを決して忘れないことです。 勘違いしないでくださいね。 「避難誘導、消火、救助、応急処置、避難所運営、安否確認、炊き出し等々」これらを不要だといっているのではありません。 これらは人として身につけるべき当たり前のスキルやマナーです。 人として当たり前の行動がとれる地域づくり・人づくりがとても大切なことです。 そこには『覚悟と信頼』というキーワードがあるのです。 次回へ、つづく・・・ |